ツグミ工芸舎工作日記

ツグミ工芸舎のこれまでとこれから

落としてしまう部分について


器を木槌とノミで彫るとき
器の裏側の最後には落としてしまう部分があることでうまく彫ることができます。器の表部分を彫り終えたら、裏側の必要のない部分は落としてしまいます。手彫りの器がひとつできあがっていたら、今、そこにはない落とされた部分の働きがあってその器はできあがっていることをちょっと想像してみてください。

すでにそこにはない何かについて思いを巡らすことはとても困難で、物事の多くはあまりにも複雑に関係し合い、私たちの想像や期待を越えたところで動いています。だから、僕が器を作ることも、彼女が絵を書くことも、彼が詩を書くことも、あなたが眠ることも、すべては海の潮の満ち引きのようなものだと思えば、無理がなく、もっと自由に楽しくみんなやっていけるんじゃないかな〜?とか思ったりしながら毎日木槌を振っております。